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なぜビットコインには、政治家が必要ないのか?

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白黒の未来都市をつなぐカラーネットワークとビットコインのシンボル

まだ生まれていない人は、選挙で一票を投じることができません。

当たり前の話ですが、お金について考えると、これは大きな問題に見えてきます。

先日、佐々木徹さんの「ビットコインが要らなくなる方法が、ひとつだけあります」という記事を読みました。

世界中の政治家が目先の得票ではなく将来世代の利益を考え、健全な通貨をつくればビットコインは不要になる。そんな趣旨の文章です。

なるほどと思う一方で、僕は別の疑問を持ちました。

そのような政治家を、いったい誰が選び続けられるのでしょうか。

まだ投票できない人の利益

政治家はいま生きている有権者の判断によって選ばれます。

例えば、目の前の負担を軽くする政策と、30年後の人々のために財政を立て直す政策が衝突したとします。

将来のために今の負担を受け入れる人もいるでしょう。しかし、選挙ではすぐに結果が出る政策のほうが支持を集めやすいのが現実。

これは政治家が悪い人間だからではありません。

長い時間をかけて価値を保つべきお金と、数年ごとに評価される政治とでは、そもそも時間の尺度が違うのです。

もちろん、政府や中央銀行が景気や雇用を支えるために政策を調整することには意味があります。また、中央銀行の独立性など、短期的な政治圧力からお金を守る制度も存在します。

ただ、その制度も人間がつくり、必要なら人間が変更できるものです。

何十年も使うお金のルールが、何年かごとに変わる政治の判断に左右され得る。

僕は、ここに見過ごせない問題があると思います。

正しい政治家を待たないお金

ビットコインはこの問題にまったく違う答えを示しました。

ビットコインの発行上限は2,100万枚と定められ、発行ペースも共通のルールに従います。

景気が悪いから、支持率を上げたいからといって、政治家が勝手に増やすことはできません。

もちろん、ルールの変更が絶対に不可能なわけではありません。しかし、特定の政府や開発者の判断だけで変更できるものでもありません。参加者がそれぞれルールを検証し、受け入れるかどうかを選べるからです。

また、発行量が決まっているからといって、購買力がいつも安定しているわけではありません。短期的に見ればビットコインの価格は大きく変動しますし、経済危機に応じて供給を調整する柔軟性もありません。

それでもビットコインには、従来のお金とは異なる価値があります。

お金のルールを守るために、立派な政治家が選ばれ続ける必要がないことです。

仮に明日から世界中の政府が健全な通貨政策を実現したとしても、次の世代の政府が同じ判断をする保証はありません。

そして、たとえ法定通貨が安定していても、国家の判断とは別のルールで動くお金を選べること自体に意味があります。

これは民主主義を否定する話ではありません。社会の多くの問題は、これからも政治によって決める必要があります。

ただ、人生をかけて蓄えるお金の基本ルールまで、いつも政治家の良識に委ねなければならないのでしょうか。

まだ生まれていない人には投票権がありません。

しかし、だからといって、その人たちが将来使うお金のルールまで、いまの世代の都合で自由に変えられてよいのでしょうか。

ビットコインは人間が完璧になるのを待たずに生まれました。

僕は、それこそが、この発明の重要な意味だと思います。

参考資料