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世界共通のお金をつくるのに、国家の合意は必要なのか?

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白黒の未来都市をつなぐカラーネットワークとビットコインのシンボル

Xを眺めていると、2010年8月に公開された日経新聞の記事が流れてきました。

タイトルは「世界共通の通貨 なぜないの?」。

海外旅行で両替に手間取る母親を見た小学生が、「世界中同じお金にすれば楽なのに」と疑問を抱くところから始まる記事です。

これに対し、専門家たちは世界共通の通貨が難しい理由を説明しています。

  • 国によって経済状況が違うこと。
  • 共通通貨を採用すれば、自国に合わせて金利や為替を調整できなくなること。
  • そして、各国が通貨を発行する権限を簡単には手放さないこと。

どれももっともな話です。

ただ、この古い記事には、今読むと少し不思議なところがあります。

この記事が書かれた2010年、ビットコインはすでに存在していたのです。

世界のお金を一つにする必要はあるのか

ビットコインのネットワークが動き始めたのは2009年1月。日経の記事が公開されたときには、まだほとんど知られていない、小さな実験のような存在でした。

記事に登場する専門家の説明が間違っていたわけではありません。彼らが論じていたのは、ユーロのように複数の国が同じ通貨を正式に採用する仕組みです。

それには政治的な合意が欠かせません。どの国も、金融政策という大きな権限を簡単に手放せないからです。

しかし、ビットコインが示したのは、まったく別の道でした。

日本が円をやめる必要も、米国がドルをやめる必要もない。世界中の政府が条約に署名しなくても、参加する人々が同じルールでお金を受け渡すネットワークは成り立つ。

世界共通のお金を持つことと、世界のお金を一つに統一することは違うのです。

「国のお金」が当たり前とは限らない

さらに興味深いのは、日経の記事の最後に「1国1通貨は比較的新しい出来事」と書かれていることです。

江戸時代の日本では、幕府の貨幣だけでなく、各地の藩が発行した藩札も流通していました。国家と通貨が一対一で結び付く現在の姿は、人類の歴史を通じて当たり前だったわけではありません。

そう考えると、今後も「一つの国には一つのお金しかない」と決めつける必要はないのかもしれません。

もちろんビットコインは世界共通の法定通貨になったわけではありません。受け取る人がいなければ支払いには使えず、価格変動や各国の法律という問題もあります。

それでも大切なのは別のところにあると思います。

世界共通のお金を実現するには、まず国家同士が合意しなければならない。僕たちは長い間、それを当たり前のように考えてきました。

しかしビットコインは、国家が通貨を統一するのを待たずに、人々が共通のルールを選んで参加するというまったく新しい方法を示したのです。

世界中の国が同じお金を使う未来ではなく、世界中の人が同じお金を選べる未来。

2010年の素朴な疑問を今読み返すと、僕にはその違いこそが、ビットコインの面白さに思えてなりません。

参考資料